5-ハロウィン伝説……





銀髪の男性の言葉に私はあることを思い出していた。

それは私が毎晩見る不思議な夢のことだった……

身に覚えのない場所と知らない男の子と

なにやら約束事を交わすそんな場面だった……






ハロウィン伝説……第5話






「夢……2人の子供…?」


ちゃん?」



男の話になにか身に覚えでもあるかのようにの体がびくつく。
カカシは心配そうに彼女の方に視線を向ける。


「おまえもこの里の者じゃねーんだろ?なぁ、指きりしようぜ?」


「指きり……」


男が差し出す小指にまるで何かの催眠術にかかってしまったかのように自分の指を絡めようと
は腕を伸ばした。
しかしその指が触れ合う前に、どこからか飛んできたクナイにより邪魔されてしまう。


ちゃんっ!!」


カカシの声が響く……
男を目掛けて数本のクナイを投げつけ、自信も1本のクナイを手に持ち、彼女を助けるべく攻撃を
仕掛けるが男の大鎌により、阻止されてしまう。


「てめーと戦うつもりはねぇよ。殺さなくちゃなんないし。その後の儀式もあるしな……」


大鎌を地にたて、男はカカシを睨み、そう話す。しかしカカシは彼の言葉を聞いてはいなかった。
今はなによりも敵の手に落ちそうになっている愛しい人を助けることだけが脳を支配していた。


「チッ!しかたねー!」


カカシがなおも攻撃を仕掛けてきそうな勢いに男は軽く舌打ちをすると、大鎌を構え戦闘態勢に入る。


「角都もいねーし、あの技を使うわけにはいかねーなー……」


「くっ!……なんて強さだ!」


暗闇が支配する木ノ葉の丘で金属同士のぶつかり合う音だけがあたりに響く。
木ノ葉のエリートであるカカシは写輪眼をフルに活用し攻撃、防御を繰り返すが、明らかに押されていた。
もちろんもできる限りの助太刀をほどこしてはいるが、上忍が2人係でも追い込むことが出来ない。
なぜなら、男はどんなに致命的な攻撃を受けても平然と、それ以上に「気持ちいい」とまで言っている。


「化け物か?」


「化け物でもこんだけの攻撃を受ければ倒れるわよ!化け物以上よ!!」


「あーあ、角都連れてくるんだったな、ホント」


化け物呼ばわりされても男は笑みを浮かべ、攻撃を仕掛けてくる。
大鎌の攻撃を避けていると2人はふと足元が浮くような感覚を感じた。
後ろに視線をやるとそこはもう崖になっていて、あと一歩でも後ろに下がれば落ちることは
間違いなしだった。


「ジ・エンド、だな」


下品な笑いと共に男はその大鎌をカカシ目掛けて振り下ろす……


だめぇぇぇえええ!!!


ザクッ!!と言う音と共に男とカカシの顔に血が飛び掛る……



ちゃん…


「しまった!」


男の大鎌はの喉下を命中し、彼女の首には大きな傷口がぱっくりと開く。
その瞬間、まるでそれが引き金となったかのようにと飛段はあることを思い出した。





「ゆーびきーりげんまん……」


飛段……


「うん!絶対迎えにいくから、ホント!」


……



「私、強くなるから!飛段とずっとずっとずーーーーっと一緒にいられるように
強くなるから!」



どうして……どうしてこんなに大事なことを……


「「指きった!!」」


忘れていたんだ…?



ーーーっ!!








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2006年10月28日
2007年6月29日    ふるるか