4-ハロウィン伝説……
ゆーびきーりげんまん……
うーそついたら
はーり千本のーます!!
キャハハハ!!
ハロウィン伝説……第4話
「ハァ…ハァ…」
まだ日の光さえ昇る気配のない、暗闇が支配する真夜中、飛段は毎晩見る、いい夢…
なのか悪夢なのか分からない夢に叩き起こされていた。
「……チッ」
秋の夜にもかかわらず、夢のせいでベットも自信も汗だくになった飛段は、ひとつ舌打ちをすると
ベットから起き上がり、部屋のタンスの引き出しを開けて、中から一枚のタオルと取り出した。
「たくよー、なんでこんな夜中にシーツ取り替えてシャワー浴びなきゃなんねんだよ……」
一人文句を言いながら彼は浴室へと向かう……
「ちゃん……、ちゃん!」
「え?」
「え?…じゃないでしょ……どうしたの?ボーとして……」
「うん…」
カカシに呼ばれて我に返ると、そこには心配そうに顔を覗きこむ彼の姿が……
ひとつため息を吐いては気になっていたことを話す。
「……そんな夢に悩まされていたのかぁ。何時ごろからなの?」
「ん〜、始めは年に1度とか、最近は毎晩のように見てるかな…」
「原因は、分からないのか?昔の記憶とか……」
「ん。懐かしいような感じはするんだけどね。身に覚えがないんだよね」
ふ〜んと答えるとカカシは空を見上げ、細くその姿を現そうとしている新月を眺めながら
つぶやく。
「ちゃん…俺、実は……」
シャワーを浴びてすっきりとした飛段は暗い廊下を歩いていた。ふっと窓のところで足を止め、
彼は外で薄く笑うように光る新月を眺める。
「おまえは一体誰なんだよ…?」
夢の中の2人に、ふとそんな言葉を投げかけてみるが、もちろんそれに返事など返ってくることはない……
「チッ!!……」
飛段は軽く舌打ちをすると、急ぎ足で寝室に戻り、組織のシンボルである、赤雲模様のマントを
地肌の上に羽織り、己の武器である大鎌を手にし、アジトを出て行く。
もちろん、彼の目指す場所はひとつ……
カカシは少し恥ずかしそうに何かを伝えようとするが、すぐ近くに座るの気配と、
彼自身の今までに感じたことのない緊張を感じているせいか、うまく言葉を繋げないでいた。
「俺……おまえのことが、す……」
やっとの決心で彼女に思いを告げようとするが、その言葉はある人物の声により、遮られてしまう……
「ねぇ……指きりしよっか?」
「誰!?」
カカシとは声のした方へと振り返る。顔は逆光で見えないが、月明かりに照らされる
白髪に近い銀髪と独特の赤雲模様のマントが風になびかされている。
彼がこの事件の犯人であることは間違いなかった……
「指きり、しよ?」
「一体何を言ってるの!?」
「暁……おまえたちの狙いは一体なんだ!?」
穏やかに話しかけてくる男とは違い、もカカシもいつでも戦えるように構えをとっていた。
「狙いはって、俺はただ指きりがしてーんだよ?」
いつの間にかの目の前に移動していた。男はなおも顔色も声のトーンも変えずに
一歩一歩と近づいてくる。
「あなた……もしかして、そんなもののために数多くの女性の命を奪ったの!?」
「そんなもの、じゃねーよ。俺にとっては大事なことだ」
「ど、ゆこと?」
少しずつ近づいてくる彼から逃れるべくは一歩また一歩と後退って行く。
「夢みるんだよ。毎晩な」
「夢?」
「ああ、2人の子供が約束してんだ。指きりしてな。俺はその夢がただの夢だとは思えない。
どうしても果たさなきゃなんねー物があるって。そう感じんだよ」
飛段は立ち止まり、空に光る月を眺める。それはまるで遠いなにかを思い出すかのような
そんな視線だった……
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2006年11月1日
2007年6月29日 ふるるか