3-ハロウィン伝説……





カカシはその紙のある場所を指差す。
はその場所に目を通すと顔色を変え、固まってしまった。






ハロウィン伝説……第3話






「どうして……?」


「おまえも被害者たちと容姿的、年齢的に一致するんだよ。違いがあるとすれば、それはおまえが
忍びだと言うことぐらいだろね」


手元の湯呑みをを手に取り、中のお茶を回しながらカカシは話ていた。
は信じられないと言う顔をしてカカシに視線を送る。


「まぁ、たしかに自分の名前がリストに入ってると信じたくはないだろうけど……
とりあえず綱手さまに報告をしなくてはな」


「ま、まって!」


「ん?」


「そ、その……綱手さまは……」


「俺が犯人だと、思ってるんだろ?」


「え?」


カカシの以外な言葉にどうして?という意味のを含めた視線を送ると彼はかすかに苦笑し、
「そんなことは初めからわかっていた」と答える。


「カカシ……」


「そういう疑惑を抱かれたままじゃいい気しないしね。
犯人を捕まえようかと思ってたわけよ。どう?綱手さまのところに一緒に行くか?」


「え、あ、うん……」


じゃあ、決まり。と言ってカカシは中のお茶を飲み干すと会計を払いに席を立った。






「飛段、どこへ行ってた」


「角都じゃねーか……散歩だ」


「夜通し散歩する馬鹿なんていないだろ」


「ふん、残念だなぁ。俺は夜通し散歩する馬鹿なんだよ」


たちが茶屋で話している同時刻、暁の水のアジトにて角都と飛段のそんな会話が交わされていた。






「そうか……カカシよ、すまないことをした」


「いえ、5代目様はするべきことをやったまでです」


「うむ。それで、犯人はこの娘たちを狙ってくると言うのだな?」


「ええ。今までの被害者の特徴と出で立ちを考えればそうなります」


「出で立ち?それがなにか関係あるのか?」


カカシの言葉に、綱手を初め、部屋の中にいた人たち全員の視線がカカシに集まる。


「ええ。被害者たち、そして、まあ、このリストに書かれている
人たちのことを調べてみたところ、全員が昔、この里に引越して来たということが分かりました」


「もともと里の者じゃないと……」

カカシに渡されたリストに目を通し、確かに被害者もそしてこれから被害に会うかも知れない娘たちが
他里出身だということが明らかになった。しかし、驚きはそれだけではなかった。


「ええ。そしてもうひとつ、おそらく、このリストの此処から下に記されている女性たちが
殺されることはないと考えます。」


「それはどうして?」


リストのある場所から先を示しながらのカカシの言葉に、同じくその紙切れを眺めていた
疑問の言葉を投げかけた。
少し戸惑いながらもカカシは彼女を始めとしたこの部屋にいる者全員が聞きたがっている答えをゆっくりと
話し始めた。


「被害者からまでは全員が滝隠れの里出身なんだよ。その下は岩や、草などばらばらなんだ」


「つまり、犯人は滝隠れの者を狙っていると言うのか……しかし一体なんの目的で」


「それが分かれば苦労しないんですけどねぇ」


その後も彼らは色々と話し合い、里の警備、および、リストの女性たちの警備を
強化すると言うことに決まる。






深夜、暁アジト―――…



ソロソロと足音もたてずにリビングを歩く人影。
もともと忍びということもあり、気を配らなくても気配を消すことは容易いことではあるが、
いつもよりも慎重に行動していた。
そっと玄関の入り口の結界を解くと、影は外に出て、ある場所へと向かう……



「やだっ……つい遅くなっちゃったわ……早く帰らないと」


「ねぇ……」


「だ、だれっ!?」


「指きりしよっか?」


「あ、あなたは!?ち、近寄らないで!!」






いやあああああああぁぁぁああああ!!!!







「おまえも違ったか……」


地面を一面に紅い液体が染めている中、男は横たわる女の頬をそっと撫でながらつぶやく。
彼のそのつぶやきは誰にも聞こえることなく、薄ら笑いのような月明かりの中に消えていく……








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2006年10月26日
2007年6月29日    ふるるか