2-ハロウィン伝説……





10の月は24の日を刻む……


10の月は24人目の惑わされし女の命に影を落とす……


あと何人の女の血を味わえば


あとどのくらいの日を刻めば





彼の者は安らぎを得るのだろう……?






ハロウィン伝説……第2話






…どうした?」


険しい表情で部屋に入ってきた彼女に綱手は
穏やかな表情で声をかける。


「綱手様……23人目の犠牲者が出たって本当なのですか?」


「……ああ」


「犯人の目星は……ついてるんですか?」


と呼ばれた女性は綱手に事件の話を聞こうと
この部屋にやってきたようだ。
もちろん、内密なものはなにもないので綱手も
彼女に今までのことや先ほどシズネから聞いたことを話す。


「……吸血鬼」


「とは言ってもそんな話など信じられるわけがない。
私としては……」


そこまで言うと綱手はなぜか黙り込んでしまった。
とシズネは彼女を疑視する。
綱手は俯かせていた顔をあげると、己の考えを口にした……


「同じ里の者と言うことで疑いたくはないが……
、おまえにカカシを見張らせる!」


「カカシを、ですか?」


「ああ、そうだ。あいつはこの里の
エリート忍者だ。しかし、今はこの連続殺人事件の犯人と
被るところが多い。そこでだ。おまえには少しきつい任務
かもしれないが、奴を見張ってもらいたい……
怪しい動きを見せれば即座に暗部、または私に
知らせてくれればいい」


「……はい」


そう答えると、は瞬身で火影の部屋を後にした。






「な〜んて答えたけどぉ……あのカカシを
監視するのは楽じゃないんだよねぇ」


カカシを探すべく、は里内をトボトボと歩いていた。
監視と言うことは、対象者に見つからずに尾行をしなければ
ならないのだが、相手は木ノ葉の超エリート、あのはたけカカシ
なのだから、不可能に近いものがあった。


「はぁ……どこにいるのかな……」


「だーれを探してるの、ちゃん?」


「誰ってはたけカカシを……ああ!!」


探していた相手が何故か甘栗甘にいるのを見つけ、指差して
思いっきり叫ぶ。
オーバーすぎるリアクションに、自分の生徒を
思い出したカカシは覆面の下で
くすくすと笑い、彼女に手招きをする。


「どうして俺なんかを探していたのかな?なにか食べる?」


「えっと……みたらし団子を……って、いや、ね。最近カカシの顔を
みてないなぁって思ってさ……」


「ふ〜ん。でも一昨日に会ったばっかでしょ?」


「うっ(やっちゃった)……いいじゃない!毎日会いたいって
思っても!」


「付き合ってもいないのに?てか、その前にちゃんは
俺のこと好きでもないのに?」


それを言われてしまえば言い返せない。
仲間としては大好きなのでよく一緒に飲みに行ったり、
任務をこなしたりしていたが、男としては?と
聞かれれば答えはノーだからだ。


そんなにはっきりと答えが解るのに、会いたいと思う言い訳が
見つかるわけがない。もちろん、本当のことも言えないが…
は、はははと空笑いをすると、運ばれてきた団子に手を伸ばす。
甘栗甘の団子はとっても美味しく、任務すら忘れて
どんどん食が進んでいってしまうほどだ。
嬉しそうに団子を頬張るの姿を
カカシは微笑みながら見つめていた。


「はれ?そういえばカカシはこんなところで何してるの?
甘いもの嫌いなんじゃなかったの?」


「ん〜?いやね。ここの店員の娘、ほら、あそこで
お茶を運んでいる娘。
彼女のことが気になってね〜」


「ふ〜ん、さすがは夜の帝王と言われるだけあるわね。
なかなか可愛いじゃない?」


「そーなのよ…て、違うから!よく彼女を見てごらんなさいな!
今までの事件の被害者の娘たちと似てるでしょ?」


「あ……」


カカシにそう言われ、たしかにそうだと思った
彼を疑視していた。
彼女の視線に気付いたカカシはふぅとため息を吐くと
テーブルに湯呑みを置き、の手を握る。


「だいじょーぶ!俺は犯人なんかじゃないから。
2日ほど前にイビキたちから事件の犯人像を聞いてな。
俺なりに色々と調べていたわけよ。
そしたら、この団子屋の娘の所に辿り着いたってワケ」


「辿り着くこと自体が怪しいわよ…?」


「ははは、そういわれてしまったら返す言葉がありませんねぇ。
でも、俺がそんな無意味な殺しをしたところで、なんの得にも
なんないでしょ。それよりも俺が作ったリストを見て欲しいんだ……」


いつものようにおどけた態度で話をしていたカカシが突然、
真剣な表情になる。
そしての前に一枚の紙を差し出す。


その紙には数多くの女性の名前が書かれていた。
そしてそのうちの数十人の名前には赤ペンで
線が引かれてあり、その名前が今までの被害者のもので
あることに気がつくのもそう時間はかからなかった。


「これは……カカシ!」


「まぁまぁ、これは俺が調べた被害者たちの名前だ。
そしてこっちはおそらくこれから被害に合うであろう
女性たちの名前だ」


「どうしてそんなことが分かるの?」


「彼女たち全員の外見が一致するんだ。背格好も年代も。
それよりここを見てみろ」


そう言ってカカシはその紙のある場所を指差す。
はその場所に目を通すと顔色を変え、固まってしまった。


「私の……名前?」








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2006年10月24日
2007年4月1日    ふるるか