1-ハロウィン伝説……
10月、それは……
幾多の伝説が思い出され、語られる
そんな呪われた月……
ここにもひとつの伝説が
語られようとしている……
ハロウィン伝説……第1話
10月に入ってからは全ての国や里、町や村にまで
不の知らせが止まることなく飛び交っている。
もちろん、それはこの木ノ葉の里でも起きていた……
「5代目様!死の森付近で若い女性の変死体が見つかりました!」
「またか!?これで一体何人目だと言うのだ……」
他里から比べれば平和なはずの木ノ葉で
連日相次いで若い女性の死体が見つかっていた。
もちろん、最初の1人目が見つかった時点でこの里の火影、
綱手は夜の警備を強化していたのにもかかわらずの話だ。
「……一夜に一人……もうこれで23人目の犠牲者か…」
綱手は窓の外を眺めながら今までの犠牲者の
ことを考えていた。
全ての事件が夜間に行われているため、昼間の里内は
いつものようににぎわっている。
しかし夕暮れ近くに変わると忍以外の女性は
家を出ることを拒み、里の夜は忍と男性だけとなってしまう。
「綱手様……暗部の調べですと被害にあった女性全てにある
共通点が見られるようです」
「共通点?なんだ、それは?」
「はい。被害にあった女性は全員が似たような特徴なんです」
「……そのほかに何かないのか?」
「……実は、被害者には首筋に2本の、まるで何かに
刺された傷痕と、被害者と一緒にいた、または、近くに
いた人たちの証言によりますと、犯人は男性で、銀髪らしいです」
「銀髪…?カカシか?」
「……それはいくらなんでもないでしょ……」
銀髪の一言でまず綱手の脳裏に浮かんだのは、いつも怪しい本を
片手に、存在自体が掴みどころがなくて怪しい、はたけカカシの
姿だった。そんな綱手の考えに、苦笑まじりに否定するシズネだが
彼女もまた、少しだけ彼を疑っているよう……
「まぁ、冗談はこれくらいにしといて他にわかったことはないのか?」
「あ、犯人の顔は月明かりで逆光になってしまっているため、
見えなかったらしいのですが、その髪の色のほかに、身のこなし
からして忍者……または……吸血鬼じゃないかと」
「吸血鬼ぃ〜?そんな者が存在するわけないだろうがぁ……」
「そ、そうですよね〜」
はははと2人で笑っていると、コンコンとドアをノックする音が
聞こえた。
「入れ」と声をかけると、ドアがゆっくりと開き、
外から1人の女性が姿を現す……
「……」
10の月は23の日を刻む……
10の月は23の女を惑わし、その身を滅ぼす
あと何人の女の血を味わえば
あとどのくらいの日を刻めば
この呪いは解かれるのだろう……
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2006年10月23日
2007年4月1日 ふるるか