5-進み始めた物語。
君とは初めて出会ったはずなのに
なぜだろう
こんなにも懐かしい気持ちになるのは。
NARUTO-もうひとつの世界-巡り合い-
「波の国?」
「そう。7班の新しい任務でね。波の国まで行くことになったのよ」
それはカカシと暮らし始めて2日目のことだった。
ナルトの「早く一人前になりたいってばよ!!」な駄々でCランクの任務を実行することになった。
それは原作どおりにタズナさんの護衛≠ニ言うことになっている。
そっか、今はまだ始めのころなのか…
「それでねぇ。ちゃんにも一緒に来てもらおうかと思ってるわけよ」
「へぇ、私が一緒に…ってええー!?」
ちょっ、私まだこの国に来て2日だし、そもそも戦えないし。波の国といえばあの戦いの場だしで…
ああもう!順番が可笑しいし!!てか、任務にこんな無関係な人を連れて行ってもいいのか?
「そう心配すんなって。だいじょーぶ。俺がちゃんと守ってあげるから」
「ナルトたちに会わせるいい機会でもあるしね」と、なるほどそれが狙いかと思える台詞も
ちゃっかり言ってくれるしで。こうして私は仕方なく7班と共に波の国に行くことが決まったのだった。
「…で……肝心のカカシは?」
正門の前まで来るとそこにいたのは3人の子供たちと一人の老人だった…おしまい…じゃねーよ!!
なんで?さっきまで一緒にいたはずなのに?なんで急にいなくなっちゃうわけよ!!
「あのー…ねーちゃん誰だってばよ?」
「へ?私?」
いや、自分しかいないだろと自身に突っ込みながらも反射的に聞いてしまったわけで。
金髪の男の子――おそらくナルトはうんうんと力いっぱい頷いてくれて、サクラちゃんは何も言わないが、
きっと心の中では「変な人」と思ってそうな表情で、サスケにいたっては小声だがかなりはっきり聞こえる
声で「ウスラトンカチが3人…」などとつぶやいていた。
「あ、えー…私はその〜…なんといいますか…ああ!そうそう!この任務の記録係です!はい!」
「記録…」
「係?」
かなり驚いてしまったようだ。まぁ、たしかに普通、忍びの任務に記録係など付いてくるわけはないだろう。
そもそも、報告書は各チームのリーダー的存在か、自身で書き報告するものなんだし。
でもこれ以上いい嘘はつけません!
「あー、ほら!はたけカカシ上忍は今年、初生徒を受け持ったわけでしょ?だからちゃんと
指導出来てるのかとかそういったことを記録して報告しないといけないのよ。うん」
「ふーん。ねーちゃんも大変なんだな」
「あ、あははは…」
窮地に立たされたときは笑ってごまかせ!これ、私の名台詞…とでも思ってくれ。
いやー、こういうときナルトが本当に馬鹿で助かったよ。1人が信じれば他の者たちも自然と納得するはず…
少なくとも余計な質問はしてこないだろう。
「よし!みんな揃ったな」
微笑み過ぎて頬が引き攣り始めたころ、ようやくカカシがやって来た。
お腹に思いっきり蹴りいれてやろうとも思ったが…ナルトたちの教育によくないので止めておいた。今のところは…
それにしても…私の記憶が間違い出なければ今から向かうところは…
あの悲しい運命が待っているということか。
胸が締め付けられる想いに涙が出そうになった……
BACK ・
MENU ・
NEXT
2007年11月14日 ILLUST BY/ふるるか