6.5-サソリが短気なのは...
NARUTO‐もうひとつの世界-暁の奇跡-
暁火のアジト内…
「帰り、遅いですねぇ…」
いつものように鬼鮫は夕飯の支度をしながらキッチンへ水を飲みに来たサソリに話しかける。
そのころイタチはまだ帰ってきてはいなかった。
「そうだな…逃げたんじゃねーのか?」
「…まさか…そんなこと……」
「そんなことないですよ」と言いかけたが、鬼鮫が声を発する前にサソリが口を開いた。
「自身が言ったんだ。“ガイが大好きだった。会いたいと思ってた”とな…木の葉に行けば
そいつと会う確率は高い…寝返らないとも限らないだろう…」
「サソリさんは…彼女がそうやって裏切ると…思ってるんですか?」
「お前はどう思ってるんだ?あいつが本当の一般人だと?普通の一般の娘が俺等犯罪者と暮らすと思ってるのか?
すべてを知っていてこんな場所でのほほんと暮らすと思ってるのか!?」
「……」
「そう思っているならお前は馬鹿だな」といわれてしまった鬼鮫は何も言い返せない。
確かに普通の女性なら犯罪者と一緒とわかっただけで怯えるだろう…たとえそれが好きな相手だとしても…
けれどにはそれがない。あんなひどい目にあったというのに。
「それに…」
「?」
「今朝…あいつが起きた気配を感じなかった。足音もだ…それは一緒に寝ていたイタチも気づかなかった…
おかしいとは思わないか?」
「…それは確かにそうですね…けれどデイ…」
「デイダラは誰にでも懐く馬鹿だ…イタチが許してるのは少し気になるが…」
「私も…私も彼女が好きですよ…だから…信じてます。必ず戻ってくると…そして私たちを裏切らないと」
鬼鮫の言葉にサソリは一瞬目を見開くがすぐに淡く笑む。
そしてその重い尾を引きずりながらどこか寂しそうにも見える表情で、「そうだといいんだがな」と言い残し、キッチンを後にする。
その数分後、任務から戻ったイタチ。そしてさらに数時間後にいまだにう〜う〜2人して首を捻り帰って来た
とデイダラを待っていたものは、それはそれはサソリからのきつい説教だった。
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2006年5月18日
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2007年7月1日 ILLUST BY/ふるるか