5-買い物と上忍と団子。上忍編。
高所恐怖症ではありません!
でもこれは…ちょっと…ねぇ…
NARUTO-もう一つの世界-暁の奇跡-
うっきゃあああああ!!!!!
忍界に響き渡る情けない声、毎度おなじみ!暁になぜか拾われ、2日間でありとあらゆる地獄を味わった
暁“火”のアジトに居候しているの声だった。
「…なぁ…はオイラの鳥に乗りたいって言ってたよなぁ…?何でこんなに騒ぐんだ。うん?」
「だってぇ!!こんなに速く飛ぶなんて思ってなかったからぁって…あああああ!!!!」
『イタチたちはいったいどこをどう見たらこんな情けないやつを敵と間違えるのかなぁ。うん…』
出会ってからまだ一度もの頼りになる行動を見ても聞いてもいないデイダラ少し、否、かなり呆れていた。
「ひーん…まだ死にたくないよぉ…」
「じゅあ、しっかりつかまっとけよ!このまま一気に木ノ葉までいくからな。うん!」
そう言ってデイダラはの腕を自分の腰に絡ませる。もちろんそんなことをすればそれなりの
ご褒美が味わえることを計算に入れて……
「…くっくっ…胸はかなりおおきいんだな。うん」
「え!?なんか言った!?」
「なんでもないぞ。うん」
行くぞ!という言葉と共に火の国全体に悲鳴があがった。
木ノ葉の里、門前。
「し、死ぬかと思った…地上がこんなにも愛しいだなんて…哺乳類万歳!」
地面に本気でキスするの姿に苦笑をもらしながらもデイダラは彼女を立ち上がらせ、「早く行け」と里に向けて背中を押す。
「3時間後にここまで来ればいいから。必要なもの全部買ってこいよ!!」
2枚の封筒を手渡し、彼は木々の間にその身を隠してしまった。
2枚の封筒の中身はと言うと、1枚はかなり分厚く、中にはお金。もう一枚は里に入るための
許可書のような物だった。
入り口で商店街への道順を尋ね、なんとか店が立ち並ぶ場所まで移動することができた。
もともと読書が大好きなは服や必要品を買うよりも先に書店へと足を運んだ。
もちろん狙いはあのNARUTOはこれでしょ!といわれるあの本を手に入れるために。
「ん〜、ないなぁ……お?」
棚という棚を念入りに探していると見覚えのあるカバーが。
その本を手に取るべく腕を伸ばすと横からこれまた見覚えのある腕が伸び、本をとってしまった。
すこしムッとしながらその手の主のほうに視線をやると、そこには顔の半分以上を布で隠し、片方の目も隠している銀髪の男性と目が合う。
(あ、カカシさんだ…)
「あ…ごめんねぇ、君この本を狙ってたのかな?」
「あ…いえ…大丈夫…です…」
そっか!といって会計へと向かおうとしたカカシの裾を思わず引っ張ってしまう。
「あ!ごめんなさい!つい…」
「いえいえ…それより何か困ってるみたいだけど…大丈夫?」
一瞬不思議そうに見つめていたがカカシはすぐに何かを察したのか、少しかがんで目線を合わせる感じで問うてきた。
「あ…えっと、実はこの里、初めてなんです…それでいろいろ買い物がしたいんですけど…
どの店がいいのかわからなくって…あの…」
「よかったら手伝ってあげるよ」
カカシは会計を済ませながらそう申し出てくれた。
にとってこれ以上うれしいことはなかった。2日間でありとあらゆる地獄を味わってきた彼女にとって
今のカカシは天使のように思えた。
「服ならこの店がいいよ。品揃えも値段もいいからね」
「おお!」
「ここで待っていてあげるから買ってきなさい」そういってカカシは先ほど買った本を取り出し読み始めてしまった。
よっぽどあの本が好きなんだなーと思いながらも口には出さず、彼女は店の中に入る。
中は本当に品揃えがいい店だった。洋服もあれば和服もあり。中には某有名なファッションショーの
モデルたちが着そうな変わったのもあった。
かわいいやかっこいいと言う理由でほしい服はたくさんあったが、正直、は手元にあるお金の金額が分からなかった。
これが仮に日本円の1万円札ぐらいの価値があるのだとすれば彼女は億万長者!?と叫ぶだろう
しかし、逆にそんなに価値がないのだとすれば…そう考えたのか、彼女は近くにいた店員さんに手伝ってもうことにした。
財布の中身を見、かるく気絶しそうになった店員さんを介抱しながらもそうにかお目当ての服を買うことが出来たは、両手に大きな紙袋もってカカシの下に戻る。
「お待たせしました」
「いやいや、大丈夫よ」
「さ、次に行こう」と言ってさりげなく買い物袋を持ってくれる。
暁のメンバーじゃきっとそんなさりげない優しさを感じることは出来なかったはず。
そう思うとの口元は自然と緩んでいた。
「…さすがに入り口前でうろうろしてたら怪しまれるから俺はそこの靴屋で待ってるから」
「はい」
やっぱ女物の下着置き場に男が入るのは気が引けるのか、覆面越しからでも困った<Iーラを感じ取ることができる。
カカシといったん別れ、彼女は必要なものを買うと店を後にし、靴屋へと向かう。
「ん?早かったのね!それよりほら!君に似合いそうなサンダルやスニーカーがあるんだけどどうかな?」
「…わぁあ!!かわいい!!もちろん買います!!」
そういって見せてもらったサンダル、スニーカー、ブーツやミューズなどなど。とくに出かける用もないかもしれないけれどほしいと思ったものは買い、
それからも部屋を飾る小物や女性なら必ず必要になるあれとかいろいろ買うことができた。
彼女にとってきっと生まれて初めての大きな買い物になったことだろう。気がつけばカカシさんも彼女も両手が大きな紙袋でいっぱいだった。
デイダラとの待ち合わせ時間まであと…1:26分…
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2006年5月17日
2006年6月24日
2007年7月1日 ILLUST BY/ふるるか