6-悪魔との契約





「セシルー!リディアー!頑張れー!!」

もこっちきて戦いなさいよー!!」

地下水脈での出来事。






Last Game-Final Fantasy 4-






ただいま私たちはオクトマンモスと戦闘中です。
セシルは暗黒剣で攻撃、テラさんとリディアは魔法で攻撃、そして肝心の私はと言うと…片手に剣を持って遠くから応援!
…そりゃあ、リディアが怒るのも無理はないわな。

「いやー、実は私戦闘が苦手でねー!」

「…だったらなんで剣なんか買ったのよ!?」

え、かっこいいかなぁと思ったから≠ニ言ったらマジな形相で魔法をぶっ放されそうになりました。

「わわっ!そんな怖い顔しないでよー。可愛い顔が台無し…おわっ!!

「避けるなー!!!サンダー!!」

いや、避けなきゃ私の命が危ないんですけど…そう言おうにもリディアの怒りが爆発してしまったのか次々と魔法をぶっ放してくる。
もちろんそれを器用に避ける私。ああ、てかリディアでからかうの少し考えよう……マジで怖いって!

「ほうほう。一件ふざけているようにしか見えないけれど…」

「ちゃんと戦闘に参加してます、ね…」

「うむ。リディアの魔法の攻撃力が上がっているのぉ。命中率は乱れておるが、そこはがカバー…よい連携プレイじゃ」

「そうですね」

こらーそこー!関心していないでリディアを止めてくれって!これじゃ彼女の精神力が低下しない限りずっと魔法放たれてしまうって!マジで私危険だって!

「これで最後ぉー!!」

「ぎゃー!それってガ系に入るんじゃねぇー!?殺す気かー!!」

一撃必殺!とでも叫びたくなるような威力のサンダー。
いや、マジでこれサンダガじゃないの?がまっすぐ私を目掛けて放たれた。

プロテスでもシェルでもなんでもいいからとにかく守れる力をくれー!!

思わずそう叫んだときふっと体に違和感を感じた。
まるで体中の血液を抜き取られて行くようなそんな感じ。
膝の力が抜け、その場に崩れ落ちてしまった。

「な…誰?」

願いは叶えられた…立ち上がれ、そして立ち向かえ!

「はえ?」

リディアの困惑した声に目を開けると目の前には私をこの世界に召喚した悪魔の一人が立っていた。
彼は私の腕をひっぱり無理やり立ち上がらせると額にそっとキスを落とし、その場を立ち去ってしまった。
何なんだ…

、今のは…?」

「……話せば長くなる…とりあえず今はこいつを!!」

「そ、そうだな!」

先ほどとは違い体の奥底から湧き上がってくるものがある。
すっとその湧き上がってくるものが言葉となり唇から零れ落ちる。

「氷の刃で貴様を切り裂き、そして身動き出来なくしてやる!ブリザド!!

がっきーん

その音がもっとも近いと思う。
サンダーほど敵の体力を削ることは出来ないが、やつの周りの水を凍りつかせ動きを封じることが出来た。

「今だ、セシル!!」

「任せろ!暗黒剣!!」

氷を砕き、なんとか攻撃を仕掛けようとしているオクトマンモスの体をセシルの暗黒剣が貫く。
魔物は洞窟中に響き渡る断末魔の叫びを上げ、その場に崩れ落ちた。

「やったな、セシル、リディア、テラさん!」

「ああ…」

「これでダムシアンに行けるのね」

「アンナ。もうすぐ会えるぞ…」

全員が胸を撫で下ろす。
さて、あとは早くこの洞窟を抜け、バロンの飛空挺団が到着する前にダムシアンに到着しないとな。

「なぁ…」

「何?」

「この魔物って食えるのか…?」

〜!!」

「わわ!冗談だって!!と、とにかく早くダムシアンに行こう!」

焦っていることを悟られないように冗談を放ち、リディアと追いかけっこする。
もちろん、目指すは洞窟の外。そしてダムシアン城だ。

「ひー!もう何年も走っていないからしんどー……」

「ったく!って変!ぜったい変!!」

「ははは。本当に仲いいなぁ、二人とも」

セシルの暢気な言い草にリディアが思いっきり否定する。
がただ駄目駄目だから放っておけない≠だと…え?私ってそんなに駄目なのか?

「あ、そろそろダムシアンが見えてくるころだよ!予定より早く着いたんじゃ…セシル!あれっ!」

「あれは…赤き翼!?どうして此処に?」

「そんな…これじゃなんのためにここまで急いできたってのよ…」

「おお…アンナっ!!」

リディアの指差す方向から数機の飛空艇が向かってきていた。
艇は思っていたよりも移動速度が速く、あっと言う間にダムシアン城の真上まで来ていた。
一機は城の門近くで梯子を下ろし、数人の人物たちを乗せ、飛び立ってしまった。
そして残りの艇からは数百を超えるであろう爆発物が落とされた。城は瞬く間に火の海に包まれる……

「駄目!止めないと!!」

「待つんだ!!今向かえば僕たちも巻き込まれる!」

「でも中にはアンナさんが!城の者たちがっ!!」

そうよ。私は彼らが救いたくって…大好きなギルバートの幸せな顔が見たくて…だから、だから急いで此処まで来たのに…こんな、こんなのって……

こんなのってないよぉっ!!








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2008年1月22日    ILLUST BY/ふるるか