2-カイポの町




森を抜けて砂漠の中を進み始めて1日半。
セシルが言うにはもう少しすれば町に着くと。
早く風呂に入りてー!!






Last Game-Final Fantasy 4-






「ふぃー!やっと着いたよぉ…」


「大丈夫かい?」


「ああ。それよりも早くその子を休ませないといけないな」


外傷がかすり傷程度とはいえ、まだ一度も目を覚ましていない。
それどころか熱が出てきたような気さえする。
とにかく、何よりも先に宿に向かい、医者を探さねばな。




「いらっしゃいませ。おや?お譲ちゃんの顔色が悪いな。ささ、早く部屋へ!」


「すまないな」


すぐ近くの部屋に案内された私たちは少女をベットに横たわらせる。
宿の主人は彼女の傷の手当てが出来るよう、救急箱を取りに行ってしまった。


「熱が出てきたようだな…」


「医者を呼んだほうがいいかもしれないね」


セシルの言葉にそう答え、私は荷物をベットの上に放り投げ、先ほどの宿の主人に医者の居場所を
尋ねようと部屋をあとにした。


「…これをバロン王の下へ…」


カウンターの前まで来ると宿の主人が一人の青年に手紙を持たせているのが目にはいった。
彼の行動はすぐに理解が出来た。ゲーム中でもバロン国の兵士が宿でセシルとリディアを襲う場面があった。
なるほど。宿の主人が彼らに知らせたと言うことだったんだな。
怪しまれても困るので私はそ知らぬ顔をして主人のところに向かう。


「すいませんがこの町に医者は居ないのでしょうか。先ほどの女の子を診せたいので…」


「あー、あいにく今この町の医者は別の町に行ってるようだ。この鎮痛剤を飲ませてみては
いかがですかな?」


そう言って主人は救急箱を開け、中に入っていた薬を差し出す。
…鎮痛剤…熱に効くのか?いや、ま…セシルが確か右足を負傷していて痛そうにしていたから
それには聞くかもしれないな…痛みを和らげるという意味で。
とりあえずこれから先必要になるかもしれないのでありがたくいただくことにした。
ついでに2人分の食事も注文して。



「セシルー!気休め程度にしかならないと思うけど鎮痛剤貰って来たぞー…って…寝ちゃったよ…」


部屋に戻るとリディアは相変わらず意識を取り戻していなく、その上セシルまでもが眠っていた。
いや、確かにあれからろくに休まずにここまで来たから疲れているのは理解できるけどさー…
そのー、なんと言うか…寝るときぐらい兜外せっての!!


あまりの呆れに苦笑が漏れてしまったが、これはこれで面白いのでよしとした。


私の旅はまだ始まったばかりだ…








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2007年月日    ILLUST BY/ふるるか