1-異国の子猫





真冬のサウスタウンで衰弱した東洋の子猫を見つけた……






☆Hop! Skip! Trip!!☆-The king of Fighters-天使のメロディー
テリーサイド







「…こんな時間にどこ行くんだ?」


「ん〜、ちょっと散歩に、な」


そう答えればふんと興味のない返事が返ってくる。
昔はそんなに冷たい性格じゃなかったのになと思い、自然と笑みがこぼれる。
愛用の皮ジャケットを手に、俺は小さなアパートを後にする。


今年のサウスタウンはいつもより寒い。既に雪も降り積もっているほどにだ。
特に夜は昼間の倍以上に冷えるというのになぜだか無償に散歩がしたくなった。
悴む手をズボンのポケットに入れ、さてどこまで行こうと考えているとザワザワとした声と野次馬が群がる
場所が目の前に映った。
何かあったのかとその場所まで少し足早に進むと運良く前の方に出れる場所を見つけた。


「いったい何が…!?」


人ごみを掻き分けるように前にずずいとでるとそこにはこの季節には場違いな服装をした少女が今にも
冷たいシーツを身にまとった地面と口付けをしようとしているところだった。
大丈夫か――そう叫びながら少女の下へ駆け寄ろうと足を踏み出したとき、彼女と一瞬だけ視線が交わった。






真冬のサウスタウンで俺は異国の子猫を拾った…








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2007年9月6日    PHOTO BY/MIYUKI PHOTO