2-出会い。
「全部見覚えのある場所だよ!忍者アカデミーにあそこの岩は火影岩だよね?……もしかして…わたし……」
NARUTOの世界に来ちゃったの!?!?!?!?!?
NARUTO-もうひとつの世界-巡り合い-
視点
「ははは、現実逃避しちゃったのかな?」
木ノ葉の里を見下ろしながら私は後悔し始めた。
どんなにつまらなく、一人ぼっちが多い日でも仲間と会ったり、両親と会えたときは思う存分
甘えることも笑うことも出来たから。
「はあ、これからどうしよう…」
深いため息を吐き、目尻が熱くなるのを感じながらその場にしゃがみこむ。
ガサガサ!!!
「!?!?!?」
シュタッ!
「う〜ん、爆音の場所はここだけど……もしかして落ちた物って君?」
そう言って現れたのは顔の半分以上を布で覆い隠し、誰から、どこから見てもずれている髪形に額宛で左目を隠している銀髪の男性……
こ、この人っ!!
「おおーい、聞いてんの?君のこと言ってるんだけどなぁ」
放心状態で目の前に現れた男性を見つめていると、男性は私のすぐ近くに移動し、顔を覗き込むようにしながら尋ねてきた。
ち、近い……
……
……
……
「で、でででで出たあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ずざざざざざざーーーーーーー!!!!!
今までにない勢いで後退りをしてしまった…いや、だって、ねぇ…
「はは、とうとうイカレちゃったみたい…カカシがあらわれるなんて…」
一人そっとつぶやいたつもりだったが、カカシにはしっかり聞こえていたらしく、目つきが鋭くなったのを感じた。こ、怖い…
そして、無言で私との距離を縮め、先ほどとはまったく違う声のトーンで問うてきた。
「どうして、俺の名を?…」
これが殺気と言うものなんだろうか…自然と体が震えるのを感じる。
そしてその重たい空気に慣れていない私は地に膝を付き、情けないとは分かっていたが恐怖のあまり泣きはじめてしまった…
必死に耐えようとする気持ちとは裏腹に震えも涙も大きくなってきてしまう。
そんな私を見て、カカシは敵じゃないと感じたのか、それとも少しばかり自分の態度に恥じたのかは分からないが、少し困ったように声をかけてきた。
「あー…その…ごめーんね…脅かすつもりはなかったんだけど…君が俺の名を知ってたからつい…ね」
ほんとうにごめんね。と謝りながら頭を掻くカカシ。
まだ怖い気持ちはあったけれど、殺されるわけじゃないと分かったので頷いておいた…そうしないといけない気がしたので。
私の答えに満足したのか、彼の口布が少しばかり動いた気がした。
微笑んだのかな?
そんなことを考え、あまりにも綺麗な瞳に見惚れていたら、彼は火影さまに報告するためといって私を抱き上げる…
というよりも肩に担がれた…私は米袋か!!
「はえ?!ちょっ!私歩けます!」
「だいじょーぶ」
とりあえず突っ込みは自分の心中にしまっておいて、下ろしてくれと頼んでみたが、これまた美しすぎる微笑みを見せてくれた。
ん、なんか今、語尾にハートマークを見たような気がする…気のせいかな…?
「あの…私、重いし…本当に!」
「だーいじょーぶだって!俺そんなに信用ないかな?」
誰かに抱えられるのって子供の時以来なもんだからとんでもなく焦ってしまう。
どうしても下ろして欲しい私と、これまたどうしても降ろしたくない感じのカカシ…どうするべか…
てか信用以前に、恥ずかしいんだってば!!
こう見えてもけっこう頑固なので、抵抗を続けていると彼は軽く…いや、思いっきりスルーして凄いスピードで
走り始めた…ちょっとむかついた瞬間だった。
ああー…これでもう逃げられないな…これから私、どうなってしまうんだろう…?
眩しいほどに晴れている空を眺めながら、一人、そんなことを考えていた……
て…なんでカカシ相手に見とれたりしなきゃなんないんだよ〜!
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2007年1月23日 ILLUST BY/ふるるか