8-物語の最終章 冒頭





逃げている途中ケビンから既に消防隊たちが市民の救助にあたっていると言うことが解った。






Hop!Skip!Trip!!-Biohazard-outbreak-奇跡の生還-






「とにかくこれからペアを組んで進んだ方がよさそうだ。消防隊たちの話しによるとホテルの中もやつらがいるらしいからな」

「でも戦えない人たちはどうなるのよ?」

「ああ。そのことなんだけど、俺とマークは仕事柄銃が扱える。ほかにはデビット、、そしてアリッサ。君も戦うことが出来るはずだ」

「ちょっ…どうして…」

アリッサの言葉にケビンはにやりと笑い答える。

「どんな危険な場所にでも向かうジャーナリストでかなり有名だからな。アリッサ・アッシュクロフトは」

銃などの扱いも得意だって噂だぜ?≠ニ言うとアリッサは深い溜息を吐いた。

「分かったわよ。じゃあ、私は…」

「私と一緒に行こう」

アリッサがペアとなるべく相手を指名しようとしたが、彼女が誰かの名を言う前にジョージが一歩踏み出た。
声の主を確認し、明らかに嫌だと言った感じに彼女は眉を顰めたが彼はまったくそれが気にならなかったようだ。
それからほかの者たちもそれぞれのペアが決まった。
シンディはケビンと。
デビットはジムと。
マーク、ヨーコ、そして私。
大体のこれからの行動を話し終えたとき、あの不気味な呻き声が聞こえてきた。
まさか大通りのやつらか?とも思ったが、違ったようだ。やつらは路地裏などから現れてきたようだ。

「とにかく、さっき話したとおりだ!何かあったときはその無線機で知らせるんだ…全員、無事再会出来ることを願っているぜ!」

ケビンの言葉に全員が頷き、ホテルへと向かうべく走り始めた。
ちなみに、それぞれがケビンから無線機と銃と弾を渡された。

「あそこから入れるぞ!」

「早く行こう!!」

ゾンビの挟み撃ちを受けたが、運良くマークがホテルの中庭へと繋がる道を見つけてくれた。
中に入ろうと門に手をかけたと同時に中から大きな爆発音が聞こえた。

「何だ?今の音は…」

「分からないわ…」

全員が何かしら不安を感じたようだが、ずっと此処で立ち往生しているわけにも行かない。
思い切って門を開け、中に足を踏み入れた。

「とりあえずゾンビはいないようね…」

「ジーザス…このままやつらに会わずに済むことを祈るよ」

「見て…煙が出てる。きっと爆発したのはあの部屋だね」

ここにいても仕方がない。中を見てみよう≠ニいう事でマークが中に入っていく。
その後を続くようにヨーコが行き、私は反対側で息を引き取っている人物を眺め考えていた。
たしかあの人物はゾンビになって襲い掛かってくるはずだ。今のうちに倒してしまったほうがいいのかと。

!はぐれるぞ!!」

「え?あ、今行く!」

ま、皆武器も持っているし…大丈夫かな。

「あ、あの…何か聞こえない…?」

「え?……本当だ。誰かの声みたい…あっちからだ!」

ボイラー室に入ると中は先ほどの爆発によって煙がたっていた。
視界が悪く、ガスの臭いが充満しているその場所から早く出たいと思っているとヨーコの遠慮がちな声が聞こえてきた。
耳を澄ましてあたりの音を聞いてみると確かに彼女が言ったとおり、ざわざわとした感じの音が聞こえてきた。
それは人が何かを話しているような感じで…とにかくその声のする方へと向かうことに。

「このあたりなんだけど…ん?」

「これは…」

『こちらダニー…こちら…』

声が足元から聞こえるような感じになり、下を見てみるとそこには1人の男性が倒れていた。
服装からして消防隊の一人だろう。
この部屋にいたらしく、服はところどころ破けただけだが、爆風を直に受けたらしく、顔など露わになっているところは原型を留めていないほどになっていた。
ヨーコはその光景に耐えられず、視線を背けてしまった。
その間も男の体からなにやら声が聞こえている。胸ポケットを調べてみるとそれは小さな無線機だった。

『チャーリー…返事、を…』

チャーリー…この男の名に違いない。
今の状況を説明したほうがいいかもと考えていると、マークが無線機を手に取り、相手に通信を始めた。

「おい。聞こえるか?」

『正面ロビーへ……俺も…そこに……』

「Hey!良く聞こえない。もう一度言ってくれ!」

『……正面………』

「だめだ…切れちまった」

「正面ロビー…きっとそこへ向かえばいいんだと思う」

なるほどとマークは頷き、とにかくホテル内へ入れる場所を探そうということになった。
道は知っている。だからとりあえずケビンたちにも知らせておこうと無線機を手に取り、通信する。

「……皆聞こえる?こっちは

?どうした?』

『何かあったの?』

『……聞こえている』

「今、ボイラー室にいるんだけど、正面ロビーへ行くよう、消防隊員の無線機に連絡が入ったの」

私の通信にそれぞれのチームが了解と答え、正面ロビーのカウンター前で待ち合わせすることになった。
ただ、簡単にそこまでたどり着けそうにないとデビットが最後に言っていたが…ああ、ホテルのくせにいろんな仕掛けがあるからな……とにかく急ごう。

「マーク!ヨーコ!こっちに梯子があるよ!」

梯子を上るとそこにはもう一人の消防員が。もちろん2人の隊員のIDタグを手に入れ、ポシェットにしまう。
これが2人が殉職してしまったことを伝えることの出来るものだから。
少し奥へ進むと扉が。念のためだと、マークが先に進み扉を開けた。

「…ホテルのスクエアに出たらしいな」

「じゃあ…ここから先はホテル内になるんですね…」

「ああ。早く正面ロビーを目指そう!」

炎の地獄の脱出が始まった……








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2007年12月17日    PHOTO BY/LOSTPIA
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