白昼の訪問者。
あれから数年…
私は今もあの甘い時間に
酔っている……
NARUTO-そのドアの先には…
木の葉/ヒナタ編
白昼の訪問者。
あの日から3年。
私は相変わらずヒナタの家を行き来していた。
3年と言う月日は長く、私たちはあのときよりも仲良くなっていた。
「さん!!」
「ヒナタ…」
下忍になったヒナタは何も変わってはいなく、あの柔らかい、甘い
笑みは前にも増して穏やかだった。
「さん、早かったんですね?」
「ああ、もうすぐ中忍試験だしな。長期任務は少ないのだよ」
手をつないで並んで歩く姿は他人から見ればどう映るのだろう…?
妹?娘?友達?それとも…
正直、人の意見なんて関係なかった。私もヒナタもこれが親友に対する愛情表現だと知っていたから…
「さんは変わったね」
「?どうしてだ?」
「前はあまり話さなかったから…いつも人≠避けていたから」
淡く悲しい笑みを浮かべ、君はそう言った。
確かにそうだったかもしれない…
他人に興味はなかったし、興味をもたれるのも嫌だったから。
【、心まで触れ合うことが出来る人に会えたら君も変わるよ】
昔、カカシにそんなことを言われたことがあったと思い出した。
しかしあの時の私には関係のない言葉だった。
誰かと触れ合うのも出会うことも嫌だったから…
ヒナタに初めて会ったときからその心は変わって行ったのかもしれない。
知らない間に君を見ていたから…いつもどこか悲しそうな君の
小さな表情の変化を見ていたから。
「私が変わったのは…ヒナタのおかげだよ」
「…さん」
俯いて嬉しそうに微笑む君の表情を私は見逃さない。
つないだ手に少し力を入れ、私も薄く微笑む。
そうする事で君も力を入れ、握り返してくれることを知っていたから…
「甘味店に入ろうか?」
「うん!」
真夜中に君と出会い、白昼に君と仲良くなった…
真夜中に君の心に触れ、白昼に私の心に触れた…
君と私。正反対の私たちが出会い、触れ合い、大切な物を見つけた。
あのころと同じく、和菓子とお茶とヒナタの笑顔に癒される…
暖簾をくぐれば甘い香りが漂う…
真夜中の訪問者は白昼の訪問者に変わる…
君と言う安らぎを見つけたから…
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2006年9月19日
2007年5月1日
ILLUST BY/ふるるか